どのオイルでも良いのかどうか

先日、友人のAさんが、「家にいろんなオイルが残っているから、いろいろ混ぜていろんな石けんを作ってみようと思う。どんな使い心地になるか楽しみ♪」と言っていました。

私は「えっ・・・ちょっと待って・・」

と言いかけたのですが、ちょうど電車に乗っていたときでして、しかも、ちょうどAさんの乗り換え駅に着いた時でしたので、Aさんはそのまま降りていってしまいました。

Aさんは最近、趣味で顔や体といった全身を洗うための石けんを作りはじめたビギナーの方です。

「家に残っているいろんなオイルで石けんを作る」

いったいどんな石けんができあがったのだろう・・いろいろと考えずにはいられません。

だって・・石けんって、どのオイルで作っても、肌にとって心地良い石けんに仕上がるわけではないからです。

たとえば、ココナッツオイルですが、

ココナッツオイルは泡立ちの良い石けんを作りたいときには欠かせないオイルと言えるでしょう。化学合成された発泡剤などを添加しなくても、ココナッツオイルを配合することで大変泡立ちの良い石けんができあがります。

でも、ココナッツオイルには肌に刺激を与える成分が含まれていますので、使用量に注意する必要があるんですね。たくさん入れすぎると肌への刺激が強くなり、少なすぎると泡立ちがよくなくなります。ちょうど良い分量を見極めて配合する必要があるんですね。オイル全体の何%をココナッツオイルにするか。それによって、大きく変わってくるんです。

時々、ネット上で「ココナッツオイルとパーム油を多めに配合し、少量の〇〇オイルを加えて作りました」という“洗顔”石けんの広告を見かけるのですが、「えっ、それで顔洗ったら顔ガビガビになるんじゃ・・食器洗いか洗濯用ならまだしも・・」と思わずにはいられません(^_^;)

また、太白ごま油についてですが、太白ごま油をメインに配合すると、さっぱりとした石けんに仕上がる傾向にあります。脂性肌の方や汗をかく暑い時期に普通肌の方が使うのに向いているように思います。けれども、私のように乾燥肌の人にとっては、さっぱりし過ぎるように思います。

太白ごま油で石けんを作りますと、とてもきれいなピンク色に仕上がりますので、「いいなぁ、私も太白ごま油で石けんを作ろうかなぁ」とも思ったりするのですが、やはり私はしっとりとした石けんが好きですので、結局いつもお蔵入りです。

ちなみに私はピンクの石けんを作る時には、天然のクレイ(粘土)を使って色付けしています。ピンクのクレイってものがあるんですね。最初見つけた時は驚きました。土ですよね?ピンク?えーっ!って。ほんとキレイなんですよね。地球上のどこかにピンクの大地があるってことなんですね。

クレイを使えば人工的な着色料を使わなくてもきれいな色の石けんに仕上げることができますし、クレイには肌の汚れを吸着してきれいにしてくれる美肌効果が期待できますので、いたれりつくせりです。

さぁ、ここまで書きましたが、本題に戻ります。

そうなんです。

どのオイルを使っても使い心地の良い石けんができるとは限らないんです。オイルそれぞれの性質をきちんと把握して、どのオイルとどのオイルを組み合わせるのか、さらに、どのオイルとどのオイルを何%づつ配合するのか、等々、いろいろ考えて作る必要があるんですね。

もちろん食器洗いや洗濯用の石けんを作るのでしたら、そこまで考える必要もないかもしれません。でも、Aさんのように洗顔や体を洗うための石けんを作るのであれば、しっかり検討した方がいいでしょう。

しっとり保湿効果を得たい場合はこのオイル。さっぱりさせたい場合はこちら、泡立ちをよくするためにこのオイルを何%配合、しっかり固めたい場合はこのオイルを何%配合、といった感じにです。

私が石けん作りでオリーブオイルを72%以上配合しているのには理由があってのことなんです(^_−)☆

 

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